◆省エネ性能を高める目的で窓の小さな家をつくるのは本末転倒?(2026.02.27)
家づくりをする者にとって、最も重要なのは安心と快適さ(使い勝手)ではないだろうか。近年、ハウスメーカーや工務店から「Ua値(外皮平均熱貫流率)」という言葉を聞く機会が増えてきた。Ua値とは住宅の断熱性能を数値化したもので、数値が小さいほど断熱性能が高い快適な住まいになるとされている。しかし、果たして「窓の小さくすること」が本当に快適な住まいなのだろうか?住まいにとって、窓は光や風を取り入れるために必要な存在。断熱性能の数値ばかりを追い求めるあまり、暮らしやすさや心地よさを犠牲にしては、それこそ本末転倒ではないだろうか。窓を小さくすることで、家全体の熱損失を抑えることができるが、このような家は、自然な光が入らず昼間でも暗い家になり、常に照明を点けて過ごさなければならず、日中でも電気を使用することになる。自然光が入らない家は、精神的にも閉塞感やストレスを感じやすくなるとの研究データもある。とくにLDKといった家族が長時間過ごす部屋では、窓の大きさが住まいの快適さを大きく左右する。自然光の快適さは、数値では到底測ることができないのだ。このように窓を小さくすることで得られるのは「数値上の断熱性能」であり、実際の住みやすさや快適性を大きく損なうリスクがある。「窓を小さくする」、「窓を減らす」ことよりも、窓の配置やサイズと、断熱性能のバランスを両立させた方が快適な住まいになるのではないだろうか。
〇神奈川県Sさん
大手ハウスメーカーの担当者のアドバイスをもとに、断熱性能を上げるために窓を極力減らしたが、実際に住んでみたら昼間でも薄暗く、気持ち的に窮屈な家になってしまった。
〇静岡県Tさん
設計者から窓を小さくすれば断熱性能が上がり、光熱費も抑えられると言われ、とくに気にもせずに家づくりに着手。寝室はとくに問題ないが、リビングやダイニングが閉鎖的な空間となり、外とのつながりがなく、息が詰まる家になり、今は後悔している。
〇長野県Oさん
工務店から断熱性も高まり、コストも下がると言われ、単純に一石二鳥だと考えた。打合せの際に、これまで住んでいたマンションも浴室、トイレ、洗面脱衣室に窓がなかったため、戸建ての新居も水廻りの窓は必要ないと私たちから伝えた。無事に建物も完成し、いざ住んでみたら家の中は薄暗く、水廻りに関しては本当に真っ暗。両親から「一戸建てなのにどうしてこんなに暗い家をつくったのか」と言われ、今になって失敗したと思った。マンションでは一切気にならなかったけど、戸建ての場合、窓は必要だと感じた。浴室も窓がないためカビが生えやすい。