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千葉県南房総市で住宅建築を手掛けるエイトホーム(有限会社八幡工務店)の山口尚宏さん(35)がこのほど地域新聞の一面を飾った。昨年6月に施行された長期優良住宅普及促進法。欧米各国に比べ平均寿命が短いとされる日本の住宅の長寿命化を図るためにつくられた新法。長期優良住宅は技術的審査に合格し、都道府県の認定を受ける必要がある。申請書類の多さから地場工務店は敬遠しがちだが、山口さんは昨年6月以降、この長期優良住宅に取り組んできた。申請サポート機関等を利用することなくすべての書類を一人で作成。技術的審査に合格した後、千葉県の認定を取得した。千葉県住宅課によると長期優良住宅の申請数は大手メーカー、次いで県内の中規模ビルダーが最も多く、地場工務店の申請は徐々に増えているものの、まだまだ少ないと言う。山口さんは中央工学校建築設計科を卒業後、木造軸組系ハウスメーカーに勤務した後、父の経営する工務店を継いだ。「ハウスメーカーも、実際の家造りに携わっている方は地場の職人さんたち。大手に依頼した場合、建築費の大半は施主の住まいとは関係のない宣伝広告費や住宅展示場の維持費、営業マンや事務方の人件費に。高額な家と良い家は必ずしも比例しない。大手も中小も技術力に大差はなく、家造りは地域の気候風土を熟知した地元業者が建築するのが理想。地場の工務店も時代と共に学び、大手には真似のできない特色ある家造りをしてほしい。」と同業各社にエールを送った。